少女機械人形コーパス 第二幕
尾ヶ崎
「………。」
尾ヶ崎
(こんな表層の部分じゃ無い…。)
尾ヶ崎
「もっと奥まで入れる?」
バル
『カシコマリマシタ。』
<タイプ音鳴りっぱなし>
尾ヶ崎
「……!」
<SEタイプ止まる>
尾ヶ崎
「これ…不自然だわ…。」
バル
『シンニュウシマスカ?』
尾ヶ崎
「お願い。」
<SEタイプ音>
尾ヶ崎
「茅野…修?それと…これは…。バルちゃん、IDの書き換えお願い。」
ヴァルキリー
『リョウカイ。カイシシマス。』
尾ヶ崎
(何なの…でも…これって…!)
バル
『カキカエカンリョウ。』
ピピッ<ID取り出し音>
バルから書換られたIDカードが飛び出す。
尾ヶ崎
「ありがとう!これで…」
<SE PCタイプ音>
ブーッ ブーッ<SE警告音>
尾ヶ崎
「!」
バル
『スミ…マ…セン』
尾ヶ崎
「どうしたの?!…ウィルス!?バルちゃんっ!」
ヴァルキリー
『………。』
尾ヶ崎
「回収したデータごと破壊されてる…。」
尾ヶ崎
「バルちゃん……っ。」
尾ヶ崎
(…泣いてなんていられない。今は…!)
尾ヶ崎
(IDカードは手に入ったわ…。破壊される前に一瞬浮かびあがった茅野修と刻まれた墓標…それと…イブキ?という文字…。)
尾ヶ崎
「行ってみるしかない。」
尾ヶ崎
「ごめんね、バルちゃん。少しだけ待ってて。戻ったら私が必ず治してあげるから。」
作品名:少女機械人形コーパス 第二幕 作家名:有馬音文