少女機械人形コーパス 第二幕
???
<わたくしが…全て……引き受けます……!>
花立
「何?誰?いやっ!」
花立の体が大きく跳ねる。そうかと思うと次の瞬間にはその皮膚に瑞々さが戻り、肉体に生気が満ちていく。
不思議な事に体中を這いまわる蟲共の不快感も消えうせていた。
花立
「……っ!何…?いえ…それよりも今はっ!」
一瞬にして好転したこの機を見逃すほど、花立は愚かでは無かった。
双眸に光を宿し花立はライフルをヴィロネカートのコアに突きつけた。
その動きを察知した蟲達が一斉にデーケルターレを包み込む。
その青い機体は一瞬の内に白で染まる。
しかし花立はうろたえ無かった。うろたえようはずも無かった。痛みなど何一つとして感じてはいなかったからだ。
野柳
『ほう…』
野柳
(通常のコアは皆、恐怖に怯え全てを自らが吸収するなどとは考えも及ばない。だが今回のコアは…)
花立
「はーーーーーーっ!!」
大きく吠え、花立はトリガーをめいっぱい引いた。
パァァァァッァァァッァアアアアアッァァアアァン!!<SE>
次の瞬間白い無数の蟲達は、そのコアごと盛大に弾けた。
作品名:少女機械人形コーパス 第二幕 作家名:有馬音文