少女機械人形コーパス 第二幕
同日
午後07時10分
コーパス 総司令室
土方
「花立の方は天性の才能があります。東堂の方は…彼はコアの中身を知っていますからね。デーケルターレ内でコアとの交流をはかれる事を計算すると、実戦では相当化けるでしょう。」
野柳
「コアの中身を知りながらもアレに乗るとは中々…。」
池峰
「妹をコアとして利用しないことが条件だ。」
野柳
「彼の妹…確かにあの二人もコアとしての条件は満たしていますからね。自分の妹を守る為に他の誰かを犠牲にする。随分と見上げたものだな。」
土方
「七々原は?」
池峰
「ICチップに反応もない。妹と二野上ともども行方は知れん。」
野柳
「ICチップは埋め込まれた皮膚ごと剥いだかな。いずれにせよ使い道は無いし、彼がたとえ何と言おうとコーパスという組織の前では無力にすぎない。」
池峰
「だがその使い道のない者も、かつてはパイロットだったのだ。侮るな。」
土方
「………。」
池峰
「七々原は発見次第排除しろ。」
野柳
「了解しました。」
土方
「ジョエル君は?」
野柳
「彼はコアの中身を知らないままだよ。ただ巳上主任の事がショックみたいで、自身も療養所で治療を受け続けているがね。」
土方
「そうですか。」
池峰
「いずれにせよ使い物にならなくなったモノは廃棄するのみだ。」
土方
「はい。」
野柳
「左文字君はどうしてる?」
土方
「懲罰房です。」
野柳
「ふぅん。彼なら何らかの抵抗を試みたりすると思ったんだけどね。ほら、巳上主任の事もあるし。」
土方
「………。」
池峰
「終わった男だ。何も出来まい。」
野柳
「確かに。コーパスという組織力の無い彼が何かを為す事など、有り得ませんね。」
池峰
「ヴィロネカートの再生は終わった。楔の悪魔に対応する兵器開発及びパイロットの訓練に総力を注ぐよう指示する。」
野柳
「お任せください。」
土方
「かしこまりました。」
野柳
「それでは調整に行きますので。」
土方
「私も失礼します。」
ウィィィン<SE>
<土方野柳消>
池峰
(…東堂にコアの中身を教えたのは野柳か土方か…あるいは…)
池峰
(まぁいい。一度実験してみたかった事象ではある。)
作品名:少女機械人形コーパス 第二幕 作家名:有馬音文