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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「哀の川」 第十一章 功一郎との恋

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「喧嘩したのかしら・・・珍しいわ、純一は杏子さんのこととても好きなのに・・・だから余計に心配なの!間違いがあったってことはないわよね?」
「なに?間違いって?・・・純一君はまだ五年生だよ」
「そうじゃないの!杏子さんが変な悪戯をしたとか・・・ほら、いつだったか、ホテルで純一の・・・触ったって、言ってたじゃない」

直樹は自分がされたことを思い出していた。あの時は、姉のことが遠ざかってゆくようで悲しくなり泣いてしまった。純一もきっと姉の言ったことで自分が遠ざけられたと感じたのかも知れない。身体の関係を結ぶにはまだ早すぎる年齢だ。姉もここの家の住人だ。そんなことを平気でするような人じゃない。心配は要らないから、と再度麻子に言ってそのままにしておいた。

杏子はひとしきり泣いた頃を見計らって、純一の涙をふきながら、顔を正面に据えて目をじっと見て話し始めた。
「男の子は身体が大人になってゆくより、心がまだ幼いままのことが多いの。純一は今不安定な時期になっているのよ。わたしの傍にいて甘えてくれることは嬉しいけど、大人になってゆくには少し距離を置かないといけなくなっているの。解る?」
「・・・うん、一人で何でもしないといけないって事だよね?」
「そうよ、寂しいときもすぐに甘えるんじゃなく少しは我慢するの。そうして大人になってゆくんだから。どうしても我慢できなくなってきたら、わたしの部屋に来て。一緒に寝てあげる。それでいい?」
「・・・イヤだけど、そうして欲しいなら、そうするよ。ママには、今日のこと言わないでね・・・きっと怒こられるから・・・」
「二人の秘密ね、指切りしましょう・・・純一はわたしの宝よ。何でも悩んだら話すのよ、どんなことでも、ね?いい、いやらしいことでもよ!」

頷いて、純一と杏子はその日は一緒に寝た。