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やっちまった話

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これはある真冬の、夜の出来事。

 夜中、眠っていた私は、ふと、目を覚ました。
(まだ二時か三時くらいかな……ねむねむ……)
 眠気で重い瞼を、再び閉じる。だが、その時―――。

「……さむい」

 小さな声だったが、それはダンナの声。はっきりと、隣りから聞こえた。
(ん……?)
 私はもぞりと寝返りして、隣りのダンナを見る。そこには―――!!

 電気ストーブのタイムが切れた極寒の部屋、布団を全部私にとられて、身体を胎児みたいに丸めて震える、ダンナの姿だった。
(…………!!!)
 ダブルの敷布団、ダブルの毛布を使っていたので、どんなにあったかい掛け布団でも二人で一つ。つまり、どちらか寝返りでもしたり、無意識にひっぱったりすれば………。
 
 ―――こうなる。
 
 で、でも、こんなっ……!! かるく(ダンナにとってはかるいどころではないけど)拷問じゃん……!!
 この後すぐに、そっ、と彼に布団を掛け直したのは、言うまでもない。

 翌朝。

 私「ねぇねぇ、昨日の夜中にさぁ……なんか言った?」
 ダンナ「? なんかって?」
 私「いや、寝言みたいなの」
 ダンナ「? 全然覚えてないなぁ。俺なんか言ってたの?」
 私「別に」

 私は言わなかった。布団一人占めにしてたなんて……言えねぇ……。プルプルとウサギみたいに震えていたダンナの姿、今でもちょっとトラウマ+爆笑。
 しかしあの時、私が偶然目を覚ました時の、絶妙のタイミングでのダンナの悲痛な寝言。やはり、無意識でも「寒いよ!!!」ってことを訴えたかったのだろうか。

 ごめん、ダンナよ……。

 母にこの話したら、大爆笑だったよ……。
 所詮、そんな扱い。
作品名:やっちまった話 作家名:愁水