儚い夢
私は趣味人倶楽部というSNSに設置してあった創作広場で小説を出していた。
書くのも好きだが他人の作品を読むのも好きでいろんな人の作品を読んでいた。
そこで、どこか懐かしい雰囲気のある文章と出会い、ファンになった。
私は自分の自己紹介欄に自分のプロフィールのアドレスを貼っていたので、
そこからその人が来てくれて足跡を残していってくれた。
そして私もその足跡から訪問してみた。
文章の雰囲気は女性のような柔らかな印象をうけていたが、実は男性だった。
男性でも女性の気持ちを理解して文章を書く。
昔、そんな人を知っていた。
『師匠』と呼んで慕い、私に公募のことを教えてくれた人だ。
同じ公募に出したり、メールで作品を見せ合っていた。
「いつか同じ公募で一緒に授賞式に出られたらいいね」なんて、無謀な夢の話を楽しそうにしていた。
でも付き合いは1年だけで、ある日突然終わってしまった。
そんな彼と似た雰囲気の文章に惹かれていったのは当然と言えば当然だった。