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なっちょん
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novelistID. 25113
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蒼刃

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 近年流行りの舌刀という奴かな?と思い、少しだけ笑みに別のものが混じる。

 相手より優位に立ち、自ら体を崩させてしまう目的で、舌を刃として扱う。

 具体的には会話に嘘や情報を織り交ぜて、相手を戸惑わせ、普段の技量を出しにくくする。たしかそういう術だった筈だ。

 ある程度以下の使い手や、力量が拮抗した闘争では効果があるだろうが、斎藤好みの技法ではない。

 また、その類の術は虚剣であり、実剣を磨く武を自らの本分としている彼には合わないと思っていた。

 だから、彼は笑うだけで相手にしないつもりである。
 
 しかし、相方は違う様だった。

「恥だと思うなら脱ぎますか?」

 後ろから、新選組監察・篠原泰之進がからかった。斎藤は手で制する。
 
作品名:蒼刃 作家名:なっちょん