ぼくと・・・
そして体育会当日。
晴れた秋空は、まことくんの勇姿を見守るかのように明るく微笑んでいた。
「ようーい。どん!」
スタートのところで、まちこ先生が、何か持って立っている。
元気に走り始めたまことくんの後ろをぴらぴらとひるがえりながら、のびてゆく。
観覧席からも、ひそひそと声がしたが、しだいに 先を走るわが子に夢中になってさほど
まことくんに気を向けるものもいない。
(まちこ先生、ぼくがんばるから、ちゃんと持っていてね)
まことくんは、ときどきもつれたり、止まりそうになりながらも、その走りを止めることはなかった。