空(から)の教室の向こう側に
「む、ここに入りんでくるとは、貴様なにものだ。常人はここにはいれぬはず。異能持ちか?」
な、なんだコイツ?!
そこにはまるで校舎と同じくらいの巨大なモノがいた。
その姿は驚きはするものの、恐怖は感じなかった。
「オイ、聞こえているか?貴様、なにものだ。」
その巨大なモノの二言目の言葉で我に返った僕は、そのモノの問いに答えた。
「僕はタダの中学生だ。」
事実を言っただけだ。問題ないだろう…
するとそのモノは少しの間、考える素振りをみせ…
一言、僕にこう言った。
「貴様。ゲームは好きか?」
ゲーム?なにを言ってるんだ、コイツは。
ゲームってボードゲームとかTVゲームとかジャンルはなんだ。
「どんなゲームだ?」
そう問いかけた僕に返ってきた答えは全く予想していなかった答えであった。
「殺人ゲーム。さ…」
ますますコイツがなにを言ってるのか分からなくなってきた。
コイツ、正気か?!
「狂ってなどいない正気だ。モチロン冗談でもないがな。」
え…コイツ今、僕の心を読んだのか…?
コイツなにものなんだ…?!
神か妖怪か?それとも悪魔か?!
「そうだな、神か、それに近い存在だな。まぁ、神ということにしておけ。」
私の名は斎藤直義(さいとうただよし)未来予知の力を与えし者だ。
心を読んだかと思うと次はテレパシーか。ますます面白い。ゲーム、おもしろそうだ、参加してやるぜ。
貴様。未来予知の力が欲しいか。
「欲しい。そしてその殺人ゲームに参加する。」
ほう。ならば私と契約を結ぶと言う事だな。
分かった。貴様に未来予知の力を与える。
これは貴様ダケの能力だ。
そして僕は神と契約し、ミライヨチの力を得た。
作品名:空(から)の教室の向こう側に 作家名:夏蜜柑軍曹