第三章二話
翌日あいつはいつもどおり俺に話しかけてきた。
不思議なことに今日はイライラしない。
だから俺は言ってやった
「おはよ・・・」
そしたらあいつは満面の笑みで頷いた。
それから少しずつだが心を許すようになった。
だが、相変わらずあの夢は見る。
そんなある日俺は悲鳴を上げてしまった。
「どうしたの?!墨田!!」
次々と仲間達が起き上がり俺を心配してくれて、若林が俺に飛びついてきて心配してるみたいだが、俺は夢から離れられずに
「ハァハァハァハァ・・・お前も・・・いくのか?」
「え?墨田」
「お前らもあいつらみたいに、俺の前から消えていくのか!!」
「なにいってんだよ墨田お前」
「墨田、落ち着け、な?」
「なんで俺の前ばっかで死ぬんだよ!俺にも死ねというのか!」
悲鳴じみた叫び声に若林も顔を歪めて泣いていたようだが、
俺にはもうなにもかもが見えていなかった。
ただ、思ったことだけを口にするのが精一杯だった。
「だったら・・・・だったらお望みどおりに」
近くにあった剣をつかんで
「死んでてめえらのもとにいってやるよ!!」
腹を刺そうとした。
それを先に察知した俺の班の奴らは、俺を押さえ込むが暴れる俺にかなわず、剣を取り上げるのがいっぱいだった。
そこまでが俺にある意識だ。