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妻との再会

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「災い転じて……というわけですかね。でも、コンビニも生存競争が激しいみたいだから、大変でしょうね」
「まあ、何をしていても、生きて行くことは大変ですけどね」
「そうよね。景気が良くなりそうだという情報は聞きませんか?タクシーにはいろいろな人が乗るでしょ?」
「ここだけの話ですけど、この前総理大臣の秘書が翌日の予定を携帯で誰かに連絡していました。夜中の二時過ぎにですよ。聞いていてこっちも緊張しました。三十くらいの女性でしたけど、秘書なんていう仕事も、大変なんでしょうね」
「それで、景気のほうは?」
「どうなんでしょうね。タクシー料金を二万円も払う人間を乗せたら、景気はそう悪くないのかな、なんて思いましたね」
「このご時勢で二万円ですか!じゃあ、まだまだ余裕があるんですね。上のほうの人はね」
「持ってる人はたくさんいるんでしょうね」
「そう云えば、あのコンビニの奥さんも、出かけるときに着てるものをみると、まるでセレブ風よ。わたしも旦那の生命保険をもっと……」
「いつ行方不明になってもいいように、たっぷりと……」
作品名:妻との再会 作家名:マナーモード