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及川まゆら
及川まゆら
novelistID. 33104
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天國へ続く道

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 圧迫感と抜き挿しする時に聞こえる音がなんともいえない。
 海の中に潜っているみたいな浮遊感とノイズ。そんな言葉がぴったりだった。
 しかし彼の舌が伸びてくるとそんな快さはすべては崩れ落ち、汚いことをして
いる抵抗を感じた。でも彼の腕力に到底適うはずもなく、わたしの細い腕は簡単
に捕らえられてしまい彼の動きに力を込めて絶えるより他ない。普通に生活をし
ていたら、そんなところに指を入れたり舐めたりするなんて想像できない。彼に
それをやらせている背徳感と、今、自分が受けている羞恥とが入り交じって出し
てはいけないと言われた声を上げてしまった。
 「やめないで」今度はうわごとのように呟く。
 全身に甘い痺れが行き渡り、彼は少し離れて繋がったところを眺めてどうなっ
ているのか教えてくれた。
 「恥ずかしいかい?可愛い顔してこんなことだけは上手なんだから…」
 「ああ、気をやらないで。しっかり目を開けて感じなさい。それともこんな
細い棒じゃ満足できない?何が欲しいか言ってごらん」
 あの、ふんわりとした羽で優しく撫でられたい。
 それから奥へと回し入れてから、わたしを解放してください。お願いします。

 彼女はそう言って、夢でも見るように目を閉じた。
 赤い石がふたつ並んだ快楽の入り口から続く黒い道を、彼は再び覗き込んだ。
作品名:天國へ続く道 作家名:及川まゆら