<名探偵とうじょう(バレンタイン・ミステリー)>
ボク達三人はそぉ~っと、その場を立ち去った。
あたりはすっかり暗くなってきていた。
先頭を歩いていた秀美がクルっと振り返り、真顔になって言った。
「ま~、言ってみればアレね、あの暗号文は、藤井くんの気持ちを試す“試金石”だったってとこだわね。あははははは」
秀美のヤツが、自分のギャグで笑い出した。
ボクと神山は、その駄ジャレの寒さに思わず吹き出してしまった。
二月の風はまだ冷たかったけど、春も近いのかなぁ、なんて思ったりしたのだった。
おわり
03.02.14
作品名:<名探偵とうじょう(バレンタイン・ミステリー)> 作家名:郷田三郎(G3)