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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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<名探偵とうじょう(バレンタイン・ミステリー)>

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 二〇〇X年二月十四日、バレンタインデー。
 その日、二年二組の教室は朝からざわついていた。
 何故ってバレンタインデーだからに決まってるだろ。
 とりわけボク等男子にとって問題なのはミスGT学園中等部であるところの島田かれんが誰にチョコレートを渡すのかという事だ。
 ボクの知る限り、去年のバレンタインには島田さんは誰にもチョコレートをあげていない。
 しかし男子で一番登校が早い加藤によれば、島田さんは朝来た時にソレらしい包みをカバンから机に移したというのだが……。

 でもボクにはもう一つ気になる事があったんだ。
 あの、秀美が今日からボク等のクラスに編入してくるって夕べ母さんが言っていた……。
 秀美はボクの従姉で小三まではボクと同じ学校に通っていたんだけど、お父さんの仕事の関係で外国に――。
 そして先週、急きょ日本に帰って来たらしい。
 正直、ボクは秀美が苦手だ。
 秀美は四月生まれで小さい時から健康優良児のお転婆娘。
 ボクはと言えば学年こそ同じだけど、三月生まれなので小さい時は殆ど弟分扱いだったんだ……。

 担任の木下先生が教室に入ってきた。
 いつもヨレヨレの白衣を着ている先生も今日はきれいに洗濯した白衣を着ていた。
 やはり今日がバレンタインデーだからだろうか?
 そしてその後ろから秀美がついて来た。
「あ~、みんな静かに~。転校生を紹介するぞぉ。じゃあ、自己紹介してくれるか?」
 先生はそう言って教壇の中央を転校生に明け渡した。