ヒューマノイド
「う-ん、そうか、まあ、愛があれば諦めず、その内に……。そうだ、二人とも結婚しなさい。だって、あなたたちの赤裸々な愛の絡みを見てしまった以上、俺はもう一緒には住めないよなあ。この部屋、しばらく貸してあげるから、ここで二人暮らしてみたら」
高見沢はシドロモドロであるが、精一杯優しいことを言ってのけた。こんな提案を受けて、メアリ-さんは申し訳けなさそうに、しかし、やっぱり女性はちゃっかりしている。
「ありがとうございます。一郎様はこのアパートから、しばらく出て行かれるのですか……、いつでも帰って来て下さいね。それまでに、もっといろんな事を学習しておきますわ」
高見沢は一旦口にしたこと、もう後には引けない。
「ゴロウもメアリ-さんも、まだ若いんだから、ここで仲良く愛を育んでね。今日から俺は出て行くけど、あまり気にしないように、何かあったら携帯に電話してきてくれたら良いよ」
「わかりました」
「じゃあ、二人とも元気でな」と答えて、高見沢はゴロウとメアリ-さんにアパートを明け渡す形で身一つで出てしまったのだ。