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31.シングルライフ(12/6) :ワンノン


「ひとりぼっちで生きるっていうのはどんな感じだい?」
 男が言う。
 ずいぶんと芝居がかった口調だった。
「てめぇだって一人じゃねぇか」
 ワンノンの言葉に、男は心外だというように首を振る。
「なんてことを言うんだい…ボクにはキミがいるじゃないか」
「それはてめぇがそう思ってるだけだ」
「ああ!ボクは悲しいよ…キミにそんなことを言われるだなんて」
 男が無造作に拳銃の引き金を引く。
 それはワンノンの首筋をかすめ、赤い筋を作った。
「あんまり悲しいこと言うとボク怒っちゃうよ?」
「っ…」
「なぁ、あんまり事情が飲み込めないんだけどおじさんにもわかりやすく説明してくれんかな…」
 遠慮がちにエスクロの声がする。
「あんたの上にいんのは、この俺を生かさず殺さず壊し抜くのを生きがいにしてるっつぅ頭の狂ったド変態サディストだよ。この状況見りゃだいたいわかんだろ?」
 ワンノンの身体は椅子に座らされ、喉元から足首まで鎖とワイヤーでメチャクチャに縛り付けられている。
 そしてその椅子の足は、床にしっかりと溶接されていた。
「あぁ…」
 床に倒され、男に頭を踏みつけられているエスクロが曖昧につぶやいた。
「またキミはそんなことを言って…そんなにボクを怒らせたいのかい?」
 男はそう言うと手にした銃を…下へ向けた。
「ちょ…お前なにしてんだよ、危ないだろ…」
「やりたきゃやれよ」
「ワンノンお前何煽ってんの…?」
 目に見えて焦っているエスクロの言葉は、ワンノンにも男にも届いている様子はない。
「ああ、強がっちゃって…そういうとこ大好きだよ。じゃあお望みどおり…」
「!!」
「ま、待て待て待て待て!」
 ぎしり、と戒めが軋む音。
 そして男はためらうことなく引き金を引いた。