初めて将来に失望したとき
しかし、私は今日、松本清張の主張を知った。
人生というものに、学歴を記入する欄はない。
八百冊もの本を書いた男は、そう云い切った。松本清張の最終学歴は、高等小学校卒である。
私は工業高校卒だが、松本清張を尊敬している。学歴を心の拠り所として生き、そして、死んで行く人がいる。そういう人は、卒業と同時に勉強をやめてしまう人が少なくないと、松本清張は云っている。そして、その反面、高等小学校や中学、或いは高校を卒業してから、勉強を始める人もいると、文豪は云っている。一生涯、勉強を続ける人もいると云っている。
私は松本清張の弟子だと(最低の弟子かも知れないのだが)勝手に思っている。だから、今まで同様、一生勉強を続けようと思っている。
了
作品名:初めて将来に失望したとき 作家名:マナーモード