小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ホワイト・グ-ス・ダウン

INDEX|8ページ/8ページ|

前のページ
 

「総務ガチョウ呼んでくれる」
会社に電話を入れた。

「グァ−グァ−、どうされましたグァ−?」
「夫婦そろってポルトガル産のガチョウになってしまったよ、重傷だよ」

「この寒くなって来た時期、そういう人、結構増えるんですよね、
私はシナ・グ−スになってしまいましたよ、じゃあ、お大事に、グァ−」

高見沢はもう何が何やらさっぱりわからない。
「え−い、もうヤケクソだ! 
世の中みんな羽毛布団かぶって、ガチョウになればいいんだよ、
ヤッカマシイ世の中になるぞ、

ガチョウは一夫多妻だし、フォアグラも酒飲んで自家製で作れるし、
あ〜あ、疲れたよ … もう一回寝るか」

高見沢はこんな支離滅裂な事を思い切りほざいて、あらためてベッドに潜り込んだのだった。


「ディ・・・・・・・・・・・・」
突然けたたましい音が。
それは朝6時の目覚まし。

「ああ、また今日も会社か、なんで世の中に会社なんかがあるんだよ、もう少し眠らせてくれよ」
高見沢は至極不機嫌。
だが、それから2、3分気持ちを落ち着かせ、毎朝の決めゼリフを吐く。
「シャ−ナイなあ、仕事 … 仕事に行くか」と。

そして、ゴソゴソとベッドから抜け出して、洗面所へと。
歯を磨き終えて、やっと鏡に映った自分の姿を見る。

「えっ、どうしたんだよ、これっ?」
高見沢は叫んだ。
そして、ぼそぼそと後の言葉を続けるのだった。

「これって … まだ夢の中? 

それとも現実?」


                            おわり