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さくらの女

ある山奥の村に、桜の花びらが散ったのを誰ひとり見たことがないという、桜並木があるという話を聞いた。
千本桜と言うが百本位の木があるそうだ。
村人の話には、昔、土葬のころ、未婚の娘の屍をさくらの根元に埋葬したとか、埋葬した所に桜の木を植えたとか、そんな言い伝えがあると言う。
だからさくらは誰にも好かれ、枝いっぱいに花をつけるのだと言う。それは未婚の娘達の花嫁姿なのだと言われている由縁でもある。