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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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一週間ほどして、森田から電話があった。
「先日は穏便に済ませて頂きありがとうございます。学校の方は依願退職させていただきました。お世話になりました。秋草にはもう付きまとう事はありません.いずれ復縁したいと思っております」
青田は電話を切って、人生とはこんなものなのかと思っていた。
森田も事件になり、懲戒免職になれば、2000万円以上の退職金は0になっていたのである。
そのありがたさが森田を冷静にしたのかも知れなかった。
青田は自分の事を考えなくてはならなかった。
誰かが悲しむだけなら良いが、誰かが死ぬことになるかもしれないと恐怖をも感じた。
青田は自分の欲望がかかわった人たちの人生を変えて行くのだと思った。
わき腹の傷の痛みを忘れていた。

 
作品名: 作家名:吉葉ひろし