傷
定時制の生徒たちは違っていた。
勉強できる幸せを感じ、少しでも多くのことを吸収しようとしていた気がした。
「実は私が最終的には、秋草マリネに決めました。秋草は母子家庭なのです。青田さんのご家庭でしたら、私立の医学部にも進学できると判断しました」
「そうでしたか、私の娘はこの推薦を受けtられなければ、美大に進学すると言ってるのです。私はどうしても娘を医者にしたいのです。秋草さんの経済的な面倒は私が見ます。校長先生、この条件で娘に変えて頂けないでしょうか」
「すでに職員会議で承認されましたから、いまさら変えるのはむづかしいです」
「そこを何とか校長先生のお力で」
「お嬢さんとよく話し合えば解ってくれるでしょう」
「娘は医者にはなりたくないのです」
「お父さんがさせたいのですか」