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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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由美が幸子の足の指の多い事に気がついたのは1ヶ月ほどしてからであった。
それまでは青田の母がつきっきりで様子を見てくれていた。
長い産着を着せ足を隠し、足には靴下を履かした。
しかしいつまでも知らせずには出来ないと青田は覚悟をして、由美に幸子の指のことを話した。
「すみません」
由美は泣き出しそうな顔をして青田に謝った。
「謝るなんて誰の責任でもないよ」
「でも」
「丈夫で育ってくれればいいさ」
その日を境に由美の母乳は止まってしまった。
幸子が手術をするまでの間、記念の裸の写真も、足は撮らなかった。人が幸子を見に来ればあわてて靴下を履かせた。
幸いなことに由美は幸子に愛情を注ぎ、気持ちに変化はなかった。
待ちに待った1歳の誕生日を迎えた。
作品名: 作家名:吉葉ひろし