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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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食事を済ませて部屋に行くと、部屋は1部屋であった。
「これはまずいよ」
「思い出ずくり」
「でも」
宏は婚約していることを言いたかったが、どこかで打ち消したい気持ちもあった。
煙草に火を点けた。
幸子はバスルームに行った。
思い出とは一体何なのか?
宏はいろいろな形をして消えていく、たばこの煙を見ていた。
風呂から上がって来た幸子の裸体はイチョウの葉のように黄金色をしていた。
なぜこれほど美しいのだ。
なぜこんなにも輝いているのだ。
この世にこれほど美しい蝶が居るのか?
宏の体はその羽根に包まれ飛んでいくようであった。
眩しい喜びを感じた。


作品名: 作家名:吉葉ひろし