蝶
水田が作った八宝菜は美味い。
インスタントか外食だった宏には堪らないほどの美味さであった。
「母さんの味に似ている」
「宏さんのお母さんが作ったんですもの」
「水田さんかと思いました」
「お料理教えていただいてます」
「それはいい、母も退屈しないで済むし」
「宏のお嫁さんになる方でしょう。きちんと紹介しなくては、子供じゃないんですから」
「母さん何言ってるんだ、水田さん迷惑そうにしてるよ」
「母さんの勘違いかい」
「すいません」
宏は水田に謝った。
「嬉しいかも」
水田はまたも笑いながら言うので、宏は戸惑った。