マリへの手紙
ビールで乾杯
ビールで乾杯
ぼくは呑めないって言えなくて
呑んでしまった
「マリ」は2杯目のジョッキを呑みだした
「顔赤い」
笑い出す「マリ」
ぼくは酒のためだなんて言いたくもないから
君が好きだからって
心の中で「マリ」に言った
「マリ」は3杯目のジョキを呑みだした
「マリ」も僕も解り過ぎるほど解っていた
このまま別々に帰ろうと
ぼくが先に店を出ると
「マリ」はヒールを隙間に挟んで転んでしまった
初めてだった
「マリ」の体に触れたのは
強く抱きしめたかった
「大丈夫」
さようならの代名詞のようだった