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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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みどり色のかぼちゃランプ

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「ねぇあなたはボクのお父さん?」ジミーは思い切って訊いてみました。さっきから話す声が死んだジャックお父さんそっくりだと思っていたのです。
「当たり前さ、オレは少し前からこっちの世界にいるからな。あいつらのやりそうな事ぐらいお見通しってわけさ」ジミーはそんなジャックを見上げて嬉しそうに笑いました。
「でもよく聞んだジミー、今度お母さんを泣かせたら今度はオレがこらしめに行くからな。オレはへまをやって死んじまったけど、お前はオレの分までナオミを守ってくれ。頼んだぞ――」
 ジミーは枕に顔を沈めたまま「うん!」と大きな声で言ったのでした。

 ジミーが学校に行くとトビーはもう何も言って来ませんでした。それどころか皆とても親切にしてくれるのです。
 マイケルやウィルと話していると、じつはあの夢を皆も見たと言うのでした。そしてジミーのみどりのジャック・オ・ランタンが一番格好良かったとも――。

 数日後のハロウィンのお祭り当日。
 ジミーはお母さんに作ってもらったオバケの衣装を着て夕暮れの町に出かけて行きました。
 もちろんマイケルやウィルも一緒です。
 そして、途中でトビーや仲間達とも一緒になりました。
「トリック・オア・トリート! 何かくれないといたずらしちゃうぞ」
 家々のドアをノックしては、お菓子を貰って歩く子供達は誰も皆とても楽しそうでした。

 そして、子供のいる家庭ではどの家でも、例のオレンジ色のかぼちゃランプと並んで少し小ぶりの深いみどり色のジャック・オ・ランタンが、誇らしげにゆらゆらとやさしく揺れる灯りをその目と口からのぞかせていたのでした。


 おわり

      07.10.14

 これ書き始めた当初(2004年)は<Green Pumpkin>という題でしたw。
 どんだけ時間が掛かっているんだか……。
 子供向けに改稿した際に改題。

 ところで、上記はまったくの創作で、そういう事実が有るか無いかは作者は存じておりません、あしからず。
>とある小さな田舎町では、オレンジ色のかぼちゃランプと並んで、深いみどり色をしたジャック・オ・ランタン(かぼちゃランプの事)が窓辺に飾られるのを知っているでしょうか?