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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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非色──いろにあらず──

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思い出



影ふみながら歩いた小径も
すずかけの木の下の指切りも
ふたりだけの朝の思い出

あれは愛だったのでしょうか
かなうことのない願いなのに
忘れられません

いつか二人出会った あの日の丘に
さよならだけ言い残して
通り過ぎたあなた

あの日のようにさわやかな朝が
いつもあなたのためにあるように
祈っているわたしなのです

あれは夢だったのでしょうか
とげることのない想いなのに
忘れられません

いつかふたり遊んだ あの砂浜に
名前だけを書き残して
忘れられたわたし