熱病<Lady>
ドアの鍵が開く音がする。
誰だろう…。
「おい、いるか?起きてるか?」
彼の声がした。…少し前に別れた元恋人の。
私はベッドから出てカーディガンを羽織り、寝室の扉を開けた。
「…どうして」
「どうしてじゃないよ…起こしちゃったな、ごめん」
彼が私の額に手をやる。
「ホントすげぇ熱い…とにかくベッドに戻れ」
彼が私の肩を抱いて、寝室の扉を開けた。
「…どうして私が熱出したって知ってるの?」
彼が不審そうな顔をして言った。
「…メール送って来たの誰だよ」
「……え?」
別れた恋人に何をメールしたって言うんだろうか。
彼が携帯を出す。
「……ほら」
「……やだ」
『熱でた。今40度ぐらい』
確かにそういうメールがあった。
「…ごめんなさい…うっかりしてた」
この人と付き合っていた頃、体調を崩した時にそうやってメールで連絡して、看病に行ったり来たりしていた。
高熱でぼんやりして…別れた事も忘れて送ってしまったらしい。
…心の底の「来て欲しい」という気持ちが無意識に送らせたのかもしれない。
誰だろう…。
「おい、いるか?起きてるか?」
彼の声がした。…少し前に別れた元恋人の。
私はベッドから出てカーディガンを羽織り、寝室の扉を開けた。
「…どうして」
「どうしてじゃないよ…起こしちゃったな、ごめん」
彼が私の額に手をやる。
「ホントすげぇ熱い…とにかくベッドに戻れ」
彼が私の肩を抱いて、寝室の扉を開けた。
「…どうして私が熱出したって知ってるの?」
彼が不審そうな顔をして言った。
「…メール送って来たの誰だよ」
「……え?」
別れた恋人に何をメールしたって言うんだろうか。
彼が携帯を出す。
「……ほら」
「……やだ」
『熱でた。今40度ぐらい』
確かにそういうメールがあった。
「…ごめんなさい…うっかりしてた」
この人と付き合っていた頃、体調を崩した時にそうやってメールで連絡して、看病に行ったり来たりしていた。
高熱でぼんやりして…別れた事も忘れて送ってしまったらしい。
…心の底の「来て欲しい」という気持ちが無意識に送らせたのかもしれない。