絵画レビュー
ルノワール「庭で描いているクロード・モネ」
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私は、この絵に描かれたモネの体を見て、モネの描いた中で私の知っている全作品が想起されるように感じた。モネを描いた絵は、同時に、モネの描いた絵をも表現しているように感じたのである。
「モネ」という言葉だけでは、モネの作品を喚起する力に乏しい。だが、モネの姿が具体的に現されると、その具体的な姿に、モネのあらゆる作品が強く結びついていくように感じられる。
「画家を描くということは、同時に彼の作品を描くということでもある」そう言っていいほど、画家の視覚的で具体的な姿は、彼の作品を強く想起させる。ルノワールはモネを描くことで、モネの作品まで描いてしまったのである。