老い楽(らく)の恋
西村 徹 60歳 某製薬会社部長
妻 由香 50歳 専業主婦
長男、長女の4人家族
結婚歴 25年
平野 雄二 55歳 某玩具メーカの開発主任
妻 香織 45歳 専業主婦
長女と3人家族
結婚歴 20年
西村 徹は勤続30年を超えようとしてる。
後数年で定年を迎える。
妻、由香とは長年連れ添いお互いが空気のような存在である。
妻との夜の営みは月一程度でいわば習慣化されたものだった。
それに対して妻はどう思っているか判らないが徹は何の感慨も
感じるようなことは無くなっていた。
そんな時、香織と知り合い深い関係が5年も続いている。
夫婦と違いたまに逢うから新鮮味が薄れにくいのかも知れない
それに不倫してるという精神的な刺激があるのかも知れない。
ーー妻からすれば絶対許されざることであろうーー
平野 香織が夫、雄二と結婚したのは短大を卒業して数年OLを
していた頃、両親から見合いを勧められ渋々見合いした。
見合いの席でもただ黙って俯いていた。
その仕草が純情そうに相手側に写ったようで見合い相手と親の
強い希望もあり両親にも強く勧められ結婚を承諾した。
その当時、香織には好きな男が居たが失恋してしまい自暴自棄に
なっていたせいもあった。
夫、雄二に対して結婚当初から好きという感情は無かった。
夫婦の営みも香織のその意識が顕われているのを夫は敏感に
感じていたのか次第にただ男の性欲を満たすだけのセックスへと
変わっていった。
そんな夫婦関係の時に徹と出会い恋に落ちた。
徹とのセックスは夫とのそれとは違っていた
女を喜ばせるテクニックと誠意を感じさせた。