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CROSS 第15話 『せめぎあい』

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「よっと!」
少佐はベルトを大きく回して、金属部分を鉄格子にぶつけた。

   バキン!!!

 ベルトの金属部分が当たった瞬間、鉄格子の金属棒がぐにゃりと
曲がって裂けた……。
「うまくいきそうだ」
少佐はそのままベルトを振り回し続け、鉄格子をどんどん破壊して
いった。

 あっという間に、人が通れる分まで鉄格子が壊れた。少佐はベル
トを元の状態に素早く戻してズボンに装着すると、牢屋の外へ出た。
 牢屋の前の薄暗い廊下には誰もおらず、奥にドアがあった。あの
ドアから外のメイン通路に出られるようだ。
 さっそく、少佐はそのドアに向かって駆け出した。さっきの鉄格
子を破壊する音を聞きつけた奴がやってくるかもしれないから、急
がなくてはいけないのだ。ここが艦船なら、救命ボートといったも
のがあるはずだ。それに乗って脱出すればいいのだ。

   バシィン!!!

 ドアまであと少しというところで、少佐は後ろに跳ね返された…
…。少佐は牢屋の床に尻もちをついた。
「こんなところにバリアが!」
少佐の目の前にはバリアが貼ってあった。魔力によるもので操作端
末はなく、少佐にはどうしようもなかった……。

「やっぱりおとなしくしていられませんでしたか」

 そのとき、奥のドアが開き、やれやれといった感じで、妖夢がや
って来た。彼女といっしょに幽霊の霊魂たちがついてきており、そ
いつらは、バリアを軽々と通り抜けると、少佐を取り押さえた。少
佐は金縛りにあったように身動きができなくなった……。
「何する気だ!!!」
金縛りにあいながらも少佐は、妖夢に向かって叫んだ。
「……わが国の公聴会に出席してもらうことに決まっているじゃな
 いですか?」
妖夢は何度も言わせるなといった感じでそう答えた。
「ふざけるな!!! オレを誰だと思っているんだ? 大日本帝国
 連邦陸軍少佐だぞ!!!」
少佐は脅す口調でそう言った。
「……だから?」
妖夢は少佐を睨んでそう静かな口調でそう言った。
「これは重大な異次元問題だぞ!!! オレたち帝国連邦を敵に回
 すことになるんだぞ?」