税金裏話~所得税
住宅取得控除
住宅を建てると、一定年間(取得時期によって、5年~15年:会計事務所の人間として叫びます、「覚えきれるか!」)税金が安くなることは、広く知られています。
今、税金と単純に言いましたが、安くなるのは所得税のみであって、一部の例外年度の人のみしか、住民税(県と市町村に払う税金)も安くなりません。
しかも、ここでも国の宣伝にマジックがあります。
最高で税金が○○万円安くなる…そんな人はいません。
以下の計算をみてください。
所得税計算したら10万円
住宅取得控除で引ける額:15万円
この場合、10万円―15万円=0円となります。
5万円は…サヨウナラ!
払った税金が限度なのです。
国の発表している場合は、毎年所得税だけでも数百万払う人の場合です。
しかもそんな人が、最高の税金が安くなるほどの借入をするでしょうか?
また、上記の場合、5万円とお別れしていますが、本当に住宅購入者のためならば、住宅取得援助として、5万円を国から寄付みたいな形式で戻せばいいと思いませんか?
それならば、国の宣伝する、戻る税金の最高額も、ウソではなくなるのに。
では、真の目的は何でしょうか?
ミステリーの犯人探しのように、誰が一番得するかを考えてみましょう。
わかったぞ、住宅会社のためだろう…そんな回答がまず、浮かぶことでしょう。
確かに、この制度によって、住宅会社・建設会社は宣伝になり助かっています。
でも、この制度を使うには条件があって、その条件を読めばわかります、真実が。
”年末借入残高の○○%”を所得税から安くすると、書いてあります。
借入なければ駄目? はい、だめなのです。
借入先は、金融機関、……そうなのです。住宅取得控除で最大の恩恵を受けているのは、実は、金融機関なのです。
高度経済成長期、住宅価格は著しく跳ね上がりました。
こんな大きな買い物を、現金で買える人はごくわずか…
ローンにすれば需要は増えるじゃないか!
しかも住宅ローンは、借りた側からすれば、大きな借入ですが、貸す金融機関からみたら、企業に貸す場合に比べ、比較的少額で安全なのです。
安全? ピンときませんか?