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空想科学省電脳課です。

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綾部彩人は、日本国の行政機関、空想科学省が有する電脳犯罪に対抗する特殊部隊、オフィシャルウイルスバスターのひとりである。昨年、赴任したばかりの彼は、その勤勉さが認められ、一年目にして、空想科学省大臣から直々の特命を預かった。
それは、綾部彩人と入れ替わりに寿退社した、ものづくり課主任、風吹陽斗(旧姓・影野陽斗)を連れ戻すことだった―。

が、風吹陽斗のあまりの変人っぷりに疲弊した彩人は、意欲を全く失っていた。まじで戻ってきて欲しくない。ちょう疲れる。
ということで、大臣は『眠りの小五郎システム』を導入、捜査において、大っぴらに外部の核心的協力を仰げるようにした。


空想科学省電脳課です。


空想科学省の公舎がある春原町では、ここ数日、ターミナルでの暴力事件、変死事件が多発していた。ターミナルは、特殊な機器で直接神経を繋げ生身の人間を電脳空間にログインし、コミュニティでの交流を楽しむ、という娯楽施設である。現場が、空想科学省電脳課の管轄であるターミナルということで、就任一年目のオフィシャルウイルスバスター、綾部彩人も、この件の捜査本部に配属されていた。
暴力事件と変死事件、非なるふたつの事件が、同一の捜査本部で、同時に捜査されているのには訳があった。この『ターミナル暴力・変死事件』の、容疑者と被害者に、奇妙な一致があったのである。
「どちらの事件も、子どもが居ない」