税金裏話~消費税
消費税導入目的
税率の裏話に触れたついでに、消費税導入した裏の目的を簡単にお話しましょう。
よく言われることですが、赤字の法人にも税務調査に入りやすくなったことがあります。赤字法人ならば、調査に入っても少々の修正では追加法人税がとれないが、消費税には赤字による損失の繰越制度がないため、調査で追加がとることができる……。
大概の本には、ここまでしか書かれておりません。
では、他の理由はご存知でしょうか?
思い起こしてください、25年前のことを(若い方はむりですが)。
消費税導入時、財界はそろって反対でしたか? スーパーあたりは、反対といいながら、裏ではしっかり対策をしていたことをご存知でしょうか?
消費税が導入され、予想以上に物価が上がりましたか? インフレになりましたか?
消費税導入前の2月頃、駆け込みのように値上げした、床屋・新聞(こういうことをするから、マスコミ不信が減らないことを、彼らは学ばないのでしょうか)と違い、案外冷静だったことをご記憶でしょうか?
それまで、日本の流通業界における特徴として、下記のようなことを学校で習いませんでしたか?
生産者(農家・工場など)から、小売店(スーパーなど)に商品が並んで、消費者の手に届くまで、その間に、卸売り業者(いわゆる問屋)が何段階にも入り、流通経路が複雑
なため、日本の物価が高い一因になっている、と。ただし、問屋の利益率は悪く、弱小企業・個人が多い、とも。
そこで、それをきっかけに、考えて実行しました、会社は。
消費税導入により、小売価格を抑えたいスーパーなどは、それまで以上に流通を単純化し、生産者から直売する方法を強化したのです。かつ価格を抑えるため、今まで以上に大量にかつ独占的に購入していきました。
その結果は、どうでしょうか?
問屋の多くが廃業し、ここに流通革命が起きたのです。
安くなった小売価格に消費税分が吸収され、景気もそれほど落ち込まないではないか、と行政側はこれを狙ったのです。
プラザ合意で円高(今の基準からみれば円安)が進み、輸出産業が苦戦する中、内需まで縮小しては困る。だから、弱小の問屋には、この際やめてもらいましょう。やめろとは言えないから、やめざるをえない状況を作りましょう
これが裏の目的です。
もちろん、こんな発言をしたならば、政治家は落選するので言えません。
しかし、前後の状況を分析すると、必然的に、このような結論にならないでしょうか。