犯人はわたし?~加山刑事の捜査日誌
あとがき:舞台裏
お付き合いいただき、誠にありがとうございます。
エラリー・クイーン好みの犯人当てに加え、アガサ・クリスティ得意の叙述トリックを使用しています。
下記の点に注意して再読いただければ幸いです。
◎犯人は、地の文の中で、決して”犯人は誰なのか”とは 言っていません。犯人についての報告があったなどと、
伝聞の中では述べていますが。……その他、様々な意味がとれる、胸中告白の文章を散りばめています。
また、会話の中では自分が無実だと言っても、地の文では、自分の嫌疑・疑いを晴らしたいと述べ、無実だと
嘘を言っていません。
誰だって、自分の犯していない犯罪だけでなく、犯した犯罪で罰せられるのだって、いやですからね。
◎ダイイング・メッセージの意味にこだわったのは、当然、それがどのように自分を指しているのか追求していたから
です。そして、他人に転嫁できる解釈はないのか、執拗に苦慮していました。
無実を証明するためではありません。
◎ダイイング・メッセージが解ければ犯人がわかる……そんな甘いことはないです。章題から、マザーグースを連想され
た方……これもひっかけです。
また、”すべての手がかり”の中に、解釈次第で解答が分かれるようなメッセージを含めるのは、おかしいとは
思いませんか?
今回のダイイング・メッセージの真の解答は何か、それは想像にお任せします。被害者が最期に犯人をかばって、
”自分が犯人”だと言おうとした可能性もありますから。
作品名:犯人はわたし?~加山刑事の捜査日誌 作家名:TAKARA 未来