5つの道しるべ 1章
朝来ると目が覚める。
朝の光で僕の目が覚める。
階段を降りていき、一階で朝食をとる。
普通に学校に行き、普通に授業を受け、普通に帰宅する。
これが普通の学生の生き方だろう。
こんな日常が大好きだ。
この世の中で、いきなり違う世界で大冒険したり、モンスターを引き入れて戦うわけでもない。
ごくごく普通な人生だ。
俺は幸せだ。この世で「不幸だ」と言ってる間は幸せなのだ。幸せも不幸も変わらない。
「自分が生きたいように生きればそれが一番」なのだから・・・。
Episode1 始まる物語
「ふわぁ~・・・」
朝の日差しが眩しい・・今日も晴れだ。傘は必要なさそうでよかった・・
カーテンを開けるとなぜか窓が濡れていた。
「雨でも降ってるのか?こんな晴れの日に?」
窓を開けてみるとやはりいい天気「あ!!よけて!」よけて?・・・は?
なぜ二階までホースの水が僕の目に直撃するような場面に遭遇しなければならないのだろう・・・。
「目が痛くて開けられないって!!」
「あ・・やっちった☆」
「なんで素直に謝らないんだよ!愛菜!!」
こっちを向いて笑っているのは国崎愛菜。幼馴染で小さい頃からよく一緒にいる仲だ。愛菜の両親はとても頭のいい大学の教授らしく、外国の大学にいるため、家でしばらく預かってる形になっている。
「過ぎたことは気にしないのが一番だよ?」
「それでもなんで俺の部屋に目掛けて水を流したの!?」
「お年頃・・なんだよ?」
「知らないよ!!なんでそんなに恥ずかしそうに言うの!?全然恥ずかしくない上に理由になってない「みどり~ご飯よ~」からねって母さん!?僕の話に入ってこないで!?」
さっき俺の会話に割り込んできたこの人は近衛早苗。僕の母です。
あ・・ちなみに僕は近衛翠です。野郎の説明なんてみんなはいらないだろうから・・のちのち説明しようかな・・。
「わかったよ・・すぐ下に行く(ビシャァ!)ってあいなぁ~!!後ろ向いてから水かけなんて反則だろ!!」
「お年ご・・」
「もういい!なんとなく言うことは予想出来たから!」
と・・まあ・・こんな感じで大変な毎日を送ってるワケですよ・・はぁ・・
「みどりクン、ご飯食べよ~?」
ま・・嫌ってことは・・ないけど・・。
「う・・うん」
あいつ・・笑うと可愛いから・・な。
☆
「ごちそうさま!」
「は~い。お粗末さま~」
「あ。おい!翠!」
「ん・・何?父さん?」
「コンビニでプリン買ってきてくれない?」
「買ってこないよ!?今から行って帰ってきたら確実遅刻だよ!?」
「・・?遅刻でも別に良くね?」
「よくねーよ!!父さんはなんでこんな性格なのかな・・」
なんだか意味不明なことを言ってるこの人は僕の父さんの近衛蒼。こんなでも一応頭がいいらしく、数学者なんかをやってる。ここだけの話、俺のお母さんと父さんは同じ高校らしいが、いつもお母さんが一位で父さんが二位だったらしい・・。つまり母さんの方が頭が良い。数学者より頭がいいのにただの専業主婦をしている・・なんかおかしくない?
「ん・・?なのになんで俺はこんなに頭悪いの・・?」
俺はいつも学年で底辺にいる存在だ。「赤点の王子」と名が付いた程だ。でも母さん達は特に怒るワケでもなく「がんばれ」としか言わない・・なんでだろ?
「あ!ヤバい!遅刻する~!!」
「翠。俺のプリン・・」
「買えるワケないだろ!?」
「お母さんはケーキがいいな~。あ、チーズがいいな~」
「母さん!?遅刻間際の息子にそんなこと普通頼む!?」
「早苗さん!そんなのおかしいです!」
「お・・愛奈!そうだ!もっと言ってくれ!」
「普通はチョコですよ!!」
「ツッコむところが違う!!なんでそこなの!?」
「俺はタルトかな・・。」
「あんたはプリン食いたいんじゃないの!?てか父さんも口出ししなくていいから!」
もう・・朝はこれだからいつも遅刻なんだよ・・。
「あ・・そうそう。みどり」
「ん?何?母さん?」
「今日の入学式はちゃんと行くからね~」
「あ・・うん。りょーかい」
そうだ・・今日は入学式だ・・。
☆
「完璧に遅刻フラグだろ・・これ・・」
「まあまあ♪」
「お前はいいけどさ・・俺はあまり遅刻とかしたくないんだよ・・。」
俺は頭がすこ~~~し悪いが決してDQNっていうワケじゃない。成績表でも2は・・数学以外とってないし・・あまり悪くないよね?授業も一応(寝ながら)受けてるし・・。
「はあ~・・頭良くなりて~・・ん?なんだあれ?」
少し前方を見ると、本を読みながら歩いている男子がいた。まっすぐとテクテクと前も見ずに普通に歩いている。
「おぉ・・なんかすげ~・・あの人も1年生かな?」
「はやく~行こうよ~。遅刻するよ~」
「お前が言うな!!」
☆
「おお・・・でか」
俺達が通い始めるここは、選関学園(せんかんがくえん)という私立の進学校だ。俺は高校はどこでもいいか、と考えて入ったが、愛奈も「ここがいい!」とか言って一緒に受けてトップで合格。入学式でも新入生代表で挨拶をするらしい。まったく・・なんでこんなガリ勉さんが俺と一緒にいるのかね・・。
「さて・・クラスが先に張り出されてるんだっけ?」
「そうだよ~。早く見に行こうよ~」
「そうだね・・・ん?・・なんか人が集まってる・・。」
クラスが張り出されてる場所より離れている場所で人が集まってる。少し近くに行き、見てみると、朝見かけた読書男子が3人ぐらいの男子にいじめられてた。なんだか強そうで体でかいな・・。
「あれは今朝の・・」
「あの子・・血出てるよ・・かわいそう」
「そうだな」
「助けないの?」
「助ける理由がないからな」
「みどりクンなら普通に助けられる力があるのにそれを使おうとしないの?」
・・俺は普通の日常が好きだ。
「いいの?」
・・ここで入っても目を付けられていじめられるんだろう。そんなの普通じゃない。
「ねえ・・みどりクン・・」
よく考えろ・・。こんなの先生でも呼べば一発で一件落着だろ?
そんなことを考えていたら、顔から血を出しているそこの読書男子が言った。
「僕は・・人を殴らない・・。」
「は?何言ってんのお前?こんなにやられたから頭狂ってきた?お前がこんなにやられてるのに俺達より強いです~みたいなこと言うなよ。うぜえから」
ある意味正解なんじゃないか?と思う。非暴力・非服従のガンディーみたいにさ。
「さ・最初はそっちからぶつかってきたんだろ・・」
「俺らに意見するんだ?こんなクズが俺らにね~・・骨は何本折ろうかな?」
ボカッ、ドコッ、鈍い音が何回も響き渡る。でも俺はなにもしない。俺は意気地がないな。まったく・・情けない。
「俺のクラスはどこかな・・」
「ねえ・・みどりクン・・」
「俺は助けないぞ」
「私のときは助けてくれたのに・・」
「あの後はお前が大変だったろ?」
「それでもみどりクンとか洸クンとか奏ちゃんが助けてくれたから・・」
「お!いたいた!翠!何してんだよ!僕ら4人共B組だったぞ~」
朝の光で僕の目が覚める。
階段を降りていき、一階で朝食をとる。
普通に学校に行き、普通に授業を受け、普通に帰宅する。
これが普通の学生の生き方だろう。
こんな日常が大好きだ。
この世の中で、いきなり違う世界で大冒険したり、モンスターを引き入れて戦うわけでもない。
ごくごく普通な人生だ。
俺は幸せだ。この世で「不幸だ」と言ってる間は幸せなのだ。幸せも不幸も変わらない。
「自分が生きたいように生きればそれが一番」なのだから・・・。
Episode1 始まる物語
「ふわぁ~・・・」
朝の日差しが眩しい・・今日も晴れだ。傘は必要なさそうでよかった・・
カーテンを開けるとなぜか窓が濡れていた。
「雨でも降ってるのか?こんな晴れの日に?」
窓を開けてみるとやはりいい天気「あ!!よけて!」よけて?・・・は?
なぜ二階までホースの水が僕の目に直撃するような場面に遭遇しなければならないのだろう・・・。
「目が痛くて開けられないって!!」
「あ・・やっちった☆」
「なんで素直に謝らないんだよ!愛菜!!」
こっちを向いて笑っているのは国崎愛菜。幼馴染で小さい頃からよく一緒にいる仲だ。愛菜の両親はとても頭のいい大学の教授らしく、外国の大学にいるため、家でしばらく預かってる形になっている。
「過ぎたことは気にしないのが一番だよ?」
「それでもなんで俺の部屋に目掛けて水を流したの!?」
「お年頃・・なんだよ?」
「知らないよ!!なんでそんなに恥ずかしそうに言うの!?全然恥ずかしくない上に理由になってない「みどり~ご飯よ~」からねって母さん!?僕の話に入ってこないで!?」
さっき俺の会話に割り込んできたこの人は近衛早苗。僕の母です。
あ・・ちなみに僕は近衛翠です。野郎の説明なんてみんなはいらないだろうから・・のちのち説明しようかな・・。
「わかったよ・・すぐ下に行く(ビシャァ!)ってあいなぁ~!!後ろ向いてから水かけなんて反則だろ!!」
「お年ご・・」
「もういい!なんとなく言うことは予想出来たから!」
と・・まあ・・こんな感じで大変な毎日を送ってるワケですよ・・はぁ・・
「みどりクン、ご飯食べよ~?」
ま・・嫌ってことは・・ないけど・・。
「う・・うん」
あいつ・・笑うと可愛いから・・な。
☆
「ごちそうさま!」
「は~い。お粗末さま~」
「あ。おい!翠!」
「ん・・何?父さん?」
「コンビニでプリン買ってきてくれない?」
「買ってこないよ!?今から行って帰ってきたら確実遅刻だよ!?」
「・・?遅刻でも別に良くね?」
「よくねーよ!!父さんはなんでこんな性格なのかな・・」
なんだか意味不明なことを言ってるこの人は僕の父さんの近衛蒼。こんなでも一応頭がいいらしく、数学者なんかをやってる。ここだけの話、俺のお母さんと父さんは同じ高校らしいが、いつもお母さんが一位で父さんが二位だったらしい・・。つまり母さんの方が頭が良い。数学者より頭がいいのにただの専業主婦をしている・・なんかおかしくない?
「ん・・?なのになんで俺はこんなに頭悪いの・・?」
俺はいつも学年で底辺にいる存在だ。「赤点の王子」と名が付いた程だ。でも母さん達は特に怒るワケでもなく「がんばれ」としか言わない・・なんでだろ?
「あ!ヤバい!遅刻する~!!」
「翠。俺のプリン・・」
「買えるワケないだろ!?」
「お母さんはケーキがいいな~。あ、チーズがいいな~」
「母さん!?遅刻間際の息子にそんなこと普通頼む!?」
「早苗さん!そんなのおかしいです!」
「お・・愛奈!そうだ!もっと言ってくれ!」
「普通はチョコですよ!!」
「ツッコむところが違う!!なんでそこなの!?」
「俺はタルトかな・・。」
「あんたはプリン食いたいんじゃないの!?てか父さんも口出ししなくていいから!」
もう・・朝はこれだからいつも遅刻なんだよ・・。
「あ・・そうそう。みどり」
「ん?何?母さん?」
「今日の入学式はちゃんと行くからね~」
「あ・・うん。りょーかい」
そうだ・・今日は入学式だ・・。
☆
「完璧に遅刻フラグだろ・・これ・・」
「まあまあ♪」
「お前はいいけどさ・・俺はあまり遅刻とかしたくないんだよ・・。」
俺は頭がすこ~~~し悪いが決してDQNっていうワケじゃない。成績表でも2は・・数学以外とってないし・・あまり悪くないよね?授業も一応(寝ながら)受けてるし・・。
「はあ~・・頭良くなりて~・・ん?なんだあれ?」
少し前方を見ると、本を読みながら歩いている男子がいた。まっすぐとテクテクと前も見ずに普通に歩いている。
「おぉ・・なんかすげ~・・あの人も1年生かな?」
「はやく~行こうよ~。遅刻するよ~」
「お前が言うな!!」
☆
「おお・・・でか」
俺達が通い始めるここは、選関学園(せんかんがくえん)という私立の進学校だ。俺は高校はどこでもいいか、と考えて入ったが、愛奈も「ここがいい!」とか言って一緒に受けてトップで合格。入学式でも新入生代表で挨拶をするらしい。まったく・・なんでこんなガリ勉さんが俺と一緒にいるのかね・・。
「さて・・クラスが先に張り出されてるんだっけ?」
「そうだよ~。早く見に行こうよ~」
「そうだね・・・ん?・・なんか人が集まってる・・。」
クラスが張り出されてる場所より離れている場所で人が集まってる。少し近くに行き、見てみると、朝見かけた読書男子が3人ぐらいの男子にいじめられてた。なんだか強そうで体でかいな・・。
「あれは今朝の・・」
「あの子・・血出てるよ・・かわいそう」
「そうだな」
「助けないの?」
「助ける理由がないからな」
「みどりクンなら普通に助けられる力があるのにそれを使おうとしないの?」
・・俺は普通の日常が好きだ。
「いいの?」
・・ここで入っても目を付けられていじめられるんだろう。そんなの普通じゃない。
「ねえ・・みどりクン・・」
よく考えろ・・。こんなの先生でも呼べば一発で一件落着だろ?
そんなことを考えていたら、顔から血を出しているそこの読書男子が言った。
「僕は・・人を殴らない・・。」
「は?何言ってんのお前?こんなにやられたから頭狂ってきた?お前がこんなにやられてるのに俺達より強いです~みたいなこと言うなよ。うぜえから」
ある意味正解なんじゃないか?と思う。非暴力・非服従のガンディーみたいにさ。
「さ・最初はそっちからぶつかってきたんだろ・・」
「俺らに意見するんだ?こんなクズが俺らにね~・・骨は何本折ろうかな?」
ボカッ、ドコッ、鈍い音が何回も響き渡る。でも俺はなにもしない。俺は意気地がないな。まったく・・情けない。
「俺のクラスはどこかな・・」
「ねえ・・みどりクン・・」
「俺は助けないぞ」
「私のときは助けてくれたのに・・」
「あの後はお前が大変だったろ?」
「それでもみどりクンとか洸クンとか奏ちゃんが助けてくれたから・・」
「お!いたいた!翠!何してんだよ!僕ら4人共B組だったぞ~」
作品名:5つの道しるべ 1章 作家名:怪盗ネギま