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ピュワ・アイズ(人気女優殺人事件)

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七瀬奈菜の現場レポート

ここは汐留にあるサンセットTVだ。全国放送ネットのキー局で、時事報道から様々な娯楽番組まで多くの情報が発信される。その玄関口に一人の若い女性が立っていた。きちっとスーツを着こなしているが威圧する雰囲気はない。局員とは思えないが芸能人ともお笑い芸人とは思えない。一般人のように溶け込んでもないが、派手な雰囲気もない。それが彼女の独特な雰囲気を醸し出していた。むしろどことなく抜けたような雰囲気が漂っている。彼女はサンセットTVを見上げていた。
「いよいよ、今日からだぞっ!」
といって、小さな拳を胸元でガッツポーズをした。
「おはようございます。」
あわただしいTVスタッフをかき分けスタジオに向った。スタジオに入ると番組のセットが用意されていた。
「おはようございます。」
すらっと立つ姿は彼女がタダものでないことを示すかのようだった。スタッフたちは仕事の手を止め彼女を迎えた。
「あ~ら、早いわね。その気合で頑張ってちょうだい!」
“彼”はこの番組の名物“おねえ系”プロデューサー・ジョニー西だ。年齢は50前の中肉中背でパンク系の服装だ。耳にはピアスをつけているが、顔にはあごひげを蓄えて、げっこう個性的な顔をしている。
「今日から頼むわよ。七瀬奈菜さん!」
にこやかに迎えた。
「よろしく、おね・・・きゃっ!」
お辞儀をしようと腰をかがめたとき後ろから誰かがぶつかってきた。奈菜は倒れこんでしまった。
「・・・」
振り向くとちょっと冷めた感じの割とイケメンの男が段ボールを持って奈菜を見下ろしている。長髪でラフな着こなしでIDをぶら下げている。すこし無愛想な雰囲気を感じるものの、いやらしい感じはしなかった。かれのキャラクターなんだろう。
「あんた・・・」
声は軽くもなし、かといって重くもないはっきりとした響きだ。見つめられ奈菜はドキッとした。ぶつかったことを謝ろうとしているのか、みつまたまま黙っている。
(スタッフかな・・・?)
「ここは通り道なんだよ。邪魔っ!」
と奈菜にぼそっと言った。この一言に奈菜はむかっと来た。ジョニーは彼に気付いた。
「いい所に来たわ。紹介するわ。あたしの右腕のチーフディレクターの宗像疾風(ムナカタハヤテ)よ。あんたのコーナーのロケ隊も指揮することになってるわ。」
紹介された宗像は
「・・・よろしく・・・」
なんとも無表情で奈菜に軽く会釈して向こうへ行ってしまった。
「・・・!」
奈菜はあっけにとられた。