純愛 物語詩集 第二巻
そのほとばしる色彩の中に埋もれ
君は 僕の腕に絡まりながら 小声で囁いた
スプリング・グリーンてね
その光の三原色
RGBには まだレッドが156も残っているのよ
そう言えば、春の緑は若草色
新芽が息吹く熱い熱
その生気の赤さを 色合いに忍ばせているのかな?
僕は 何気なくそう囁き返した
そして君は
もし その赤を抽出して無くしてしまえば
これからの季節のように
それは 萌えるサマー・グリーンに変色出来るのよ
そう答えて、君は黙り込んでしまった
僕達の間に暫くの時が流れた
それから君は ぽつりぽつりと
私の心は 今
スプリング・グリーンのまま
その中にあるレッドを抜いて
グリーンとブルーだけの 混色に
私は萌える初夏の色
サマー・グリーンに変色したいの
作品名:純愛 物語詩集 第二巻 作家名:鮎風 遊