黒い満月
どうもミッキッコは、私達の関係は私次第だと言いたかったのでしょうね。
私はミッキッコの要望にふんふんと頷いていました。
そんな私に、ミッキッコは一言励ましの言葉を送って来てくれるのですよ。
「ヨシキ … サラバッテね!」
「サラバッテ? それ何だよ?」
私はさっぱりわかりません。
「あらっ、ヨシキ知らないの、サラバッテはサラリーマン頑張っての短縮よ、
ヨシキはサラリーマンが好きでしょ、
だから私のために … もっとサラバッテ欲しいの」
こんなミッキッコの講釈に、
「これが女の決めゼリフか … サラバッテねって、うーん、なるほどなあ」と、私はほとほと感心しました。
そして、このミッキッコからの私への特別な励ましに感激しました。
ここに至って、ようやくミッキッコの意図がわかって来たような気がしたのです。
私がずっと好意を抱いて来たミッキッコこと・夕風美月子。
彼女は連日金環蝕が続く夢を見た。
そして、このままじゃ正夢になってしまう。
それを私に、もっと希望のある現実に変えてもらいたい。
だからミッキッコは、この夢を買って欲しいと。