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クリスマスプレゼント

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「玉山さんは、絵を描いているひとではありませんか?」
「はい。先週から、食堂の作品展に出品しています」
「花の絵でしょう。あの絵を観たとき、ぼくは感動して涙が出ました。だから、名前を記憶しました。成美さん。そうでしょう?」
「嬉しいです。わたしも感動しています。今……」
 わたしは涙が止まらなくなったわ。信号待ちのとき、左隣の車のひとが、わたしをみていたわ。
「あの絵を、売ってください!ぼくの部屋に飾らせてください」
「売るなんて、そんなことできません。プレゼントします。どうぞ、受け取ってください」
「今日はクリスマスイブですね。クリスマスプレゼントとして、頂けるんですね。神様が、ぼくたちを会わせてくれたんですよ。ありがとうございます。これを受け取ってください」
 谷中さんは名刺をくれたわ。そこにはメールアドレスが印刷されていたの。
「作品展は来週までです。終ったらあの絵を差し上げます。今まで絵を描いて来て良かったと、思っています」
「明日も忙しいでしょうか。絵を頂きっぱなしにもできませんからね、あなたに洋服をプレゼントさせてください」