ことばの雨が降ってくる
*ふろふき大根とおでん*
あ、決してお料理教室ではありません(^^;)
前項のエピソードの整理ですね。その具体的な例を説明するのに、たとえ話として「ふろふき大根とおでん」を使ったのです。
ある時、仲間の一人が『エピソードの整理に苦労する』と言いました。そしてワタクシを含めた数人がわかるわかると同調しました。ところが、一人だけ『どういうことかわからない』と言ったのです。
ワタクシ、このとき『わからない』といったKちゃんに、『あなたは本能的にそれをしているから、知らなくてもいいんだ』と答えました。
ええ、Kちゃんは、実に見事にぶれない物語を書いていて、それを本能でやっているのですから、これは天賦の才なのだと思うのです。
で、この時ワタクシ、短編はふろふき大根、長編はおでんだとたとえました。
調子よく次々アイディアがでてくると、あれもこれもと書いていくうちに枚数ばかり増えて、結局規定の枚数を越えてしまったり、言いたいことがめちゃくちゃになってしまうことが多々あります。
それは、ふろふき大根を作ろうと、大根を煮始めたとき、何気なく冷蔵庫をのぞいて、ちくわを見つけたときに起こります。
さらに「あら、こんにゃくもある」「昆布もある」なんて言い出したらきりがない。
いつのまにかおでんを作りたくなってしまって、お鍋も小さくて具が入りきれなくなってしまいます。
ワタクシも含めて、たいていの方がこういうおでん地獄に陥ってしまいます。
ところが、Kちゃんは絶対にそういうことをしません。大根は最後までふろふき大根にしますし、ちくわを見つけても、それは別に磯部揚げをつくるし、こんにゃくは田楽にする人なんです。
おでんには、たくさんの具の入る大きなお鍋が必要です。
だから、おでんを作るには、それなりの準備をしなくてはなりませんね。
もう一つ大事なことは、味の調和です。
せっかくのふろふき大根やおでんができても、なにかそぐわない、たとえば味噌のかわりにあんこなんかつけちゃったら、ぶちこわしになります。
くれぐれも、そんなことにならないよう、気をつけて、みなさんもおいしいふろふき大根を作ってください。
というわけで、今日の料理の時間を終わります(ちがうってば)
それにしても、セ○ンイレ○ンのおでんはおいしいですね(*^v^*)
作品名:ことばの雨が降ってくる 作家名:せき あゆみ