ことばの雨が降ってくる
*ビギナーズラック*
書くという作業は孤独です。
もちろん、書いているときは一人でもいいのですが、不安になることもありますよね。
わからないことを聞ける人がいるのも、心強いし。
仲間と切磋琢磨できるのはなによりうれしいこと。
最初はエッセイと童話を書いて、公募に出していました。
1年目は童話は全部ボツでしたが、エッセイの方が1作本に採用され、もう1作は最終選考まで残りました。
次の年、始めて応募した《ニッサン童話と絵本のグランプリ》の童話部門で、まさしくビギナーズラックで“えりちゃん”が佳作に入賞して、このときから、ワタクシの仲間づくりが始まりました。
ちょうどインターネットを始めた頃でしたので、入賞されたほかの方のホームページを探したのです。
するとまず、二人の方のサイトを見つけました。
でも、奥ゆかしいワタクシ(だれですか。そこでわらっているのは)のこと、なかなか掲示板に書き込むことができません。
そこで『キリ番ゲット』などという姑息な手段を用いることにしたのです。
はい、おかげさまで1年後には『キリ番の女王』といわれる腕前になっていました。
と、まあ、そんなこんなでたくさんの仲間と知り合い、目の前がぱあっと明るくなりました。
人を知ると気持ちも変わってきます。
たった一人で書いていると、投稿して自分が落ちたとき、ひねくれた気持ちになってしまうのです。
自分の作品の欠点を棚に上げて、自分のほうがいい作品なのに、審査員の見る目がないんだとか。
でも、知っている人だと、悔しい気持ちが逆に、『彼女もがんばったんだ。次は自分の番だ』と前向きになれるのです。
いつしか『受賞式で会いましょう』が合い言葉になって、どの公募に応募するのか、お互いに情報を交換しあってがんばりました。
数年たつうちに、本当にそれが実現してとてもうれしかったですね。
作品名:ことばの雨が降ってくる 作家名:せき あゆみ