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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ことばの雨が降ってくる

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*憎まれっ子、世にはばかる*



──を地でいったのが、ルリコシボタンインコの「るったん」です。わがままで怒りんぼで、甘ったれで、今まで飼ったペットの中で、一番の長生きでした。

このるったんより少し先に、友人からあずかったのがセキセイインコの「ぷりんちゃん」で、もらい手がなかったので、結局うちで飼うことになったのですが、この子は性格がすこぶるかわいい子でした。
ワタクシの仕事で使う修正液の入った瓶を横にしてそれに乗り、「ぷりんちゃん、かわいい。ぷりんちゃん、おりこう」と言いながら、玉乗りのように転がすという芸もしました。
また、家にお客さんが訪ねてくると、飛んでいって挨拶をするのでした。しかも、何度か来ている人と初めて来た人とがいると、かならず初めて出会う人の方へ、先に挨拶に飛んでいったのです。

しかしながら、るったんは色がきれいなだけで、なんにも取り柄がありません。
しかも性格が悪いから、家族から嫌われていました(笑)

でも、最終的に我が家に居座ったのはるったんでした。
ぷりんちゃんは、あるとき次男の肩に止まっていて、気づかずにいた次男がそのまま外に出て行ったとき、びっくりして飛んでいってしまったのです。
それでもいったんは戻ってきたのですが、るったんに威嚇されて、どこかへ飛んで行ってしまいました。

それから、その夏、ツバメの雛を姉が拾ってきてワタクシに押しつけたのですが、るったんはこの子にもヤキモチを焼いて、足の爪を食いちぎってしまったのでした。
(けれども、このツバメ「つばっち」は無事に南の国に飛んでいき、2年後に嫁さんを連れて我が家に挨拶に来たのです)

その後るったんは、我が家に君臨していましたが、ある日あるとき、一羽の雀がるったんに興味を持ったようでした。
るったんのかごは窓際につるして、外が見えるようにしていたのですが、偶然、ワタクシはみてしまったのです。

我が家の庭にやってくる雀のうちの一羽が、空中で羽ばたいて、数秒間止まっているのです。
それを最初にみたときは、見間違いかと思いましたが、気をつけてみていると、必ず一羽だけがそういう行為をしていたのです。

まあ、当のるったんはまったく気にもとめませんでしたけど。

このことをヒントにして、るったんの死後、“まどべのことり”を書きました。
表紙に使ってあるのがるったんです。たしか亡くなる半年前くらいにとった写メです。

るったんは天寿を全うして、人間なら100歳にもなろうかという年齢で、3年前の冬の朝、静かに息を引き取りました。