ことばの雨が降ってくる
*初めて書いた童話*
童話創作を始めて、最初に書いたのは“ひろくんの雪だるま”です。
ワタクシの住んでいるところは、冬でも比較的暖かく、雪もほとんど降りません。
そんな地域ではありますが、ごくまれに雪が降ることがあります。
長男が幼稚園のころ、めずらしく雪が降り、数センチほど積もりました。
子どもですからうれしくて、寒いのもかまわず外へとびだし、雪だるまを作りました。
ところが暖かい地方の雪ははかないもので、ちょっと日がでてきたらたちまち解けてしまうんですね。
なんだか長男のようすがおかしいんです。
そっと窓から外をのぞいては、涙ぐんでいるんです。
どうしたのか聞いたら、「雪だるまが死んじゃう」って泣き出したんですよ。
そうか。子どもにはそう思えるんだ。
解けるものだとわかっていても、解けていくのをみるのはいやなのか。と。
しょーがない。
ワタクシ、雪だるまを小さくして、冷凍庫にいれました。
長男はそれで満足したようですが、ワタクシはしばらくの間、冷凍庫が使えず、困りました。
しかし、それより先に書いた作品があったことを忘れていました。
高校生の頃、一作だけ童話らしい童話を書いたことがあったのです。
国語の授業の課題で。
原稿を返してもらっていないので、手元にありません。
ですから内容は、おぼろげながら思い出せはするのですが、断片的です。
白い狐と少年のことを描いた“銀ぎつね”というタイトルの15枚ほどの物語でした。
昔読んだ永島慎二さんの漫画『源太とおっかあ』をイメージして書いた作品でした。
ですから、ワタクシの童話の処女作はその作品になります。
先日、病室でその漫画を読み返したとき、なつかしく思い出しました。
作品名:ことばの雨が降ってくる 作家名:せき あゆみ