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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ことばの雨が降ってくる

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*初めて書いた童話*



童話創作を始めて、最初に書いたのは“ひろくんの雪だるま”です。
ワタクシの住んでいるところは、冬でも比較的暖かく、雪もほとんど降りません。
そんな地域ではありますが、ごくまれに雪が降ることがあります。

長男が幼稚園のころ、めずらしく雪が降り、数センチほど積もりました。

子どもですからうれしくて、寒いのもかまわず外へとびだし、雪だるまを作りました。
ところが暖かい地方の雪ははかないもので、ちょっと日がでてきたらたちまち解けてしまうんですね。

なんだか長男のようすがおかしいんです。
そっと窓から外をのぞいては、涙ぐんでいるんです。
どうしたのか聞いたら、「雪だるまが死んじゃう」って泣き出したんですよ。

そうか。子どもにはそう思えるんだ。
解けるものだとわかっていても、解けていくのをみるのはいやなのか。と。

しょーがない。
ワタクシ、雪だるまを小さくして、冷凍庫にいれました。
長男はそれで満足したようですが、ワタクシはしばらくの間、冷凍庫が使えず、困りました。

しかし、それより先に書いた作品があったことを忘れていました。

高校生の頃、一作だけ童話らしい童話を書いたことがあったのです。
国語の授業の課題で。

原稿を返してもらっていないので、手元にありません。
ですから内容は、おぼろげながら思い出せはするのですが、断片的です。
白い狐と少年のことを描いた“銀ぎつね”というタイトルの15枚ほどの物語でした。

昔読んだ永島慎二さんの漫画『源太とおっかあ』をイメージして書いた作品でした。

ですから、ワタクシの童話の処女作はその作品になります。
先日、病室でその漫画を読み返したとき、なつかしく思い出しました。