そして僕らは最果てへ
東へ
地平線へ
雨に濡れた椿をみた
甘い衝動に酔いそうになる
生まれた日から吐きつづけた偽善さ
幸福だと信じた手さ
奪うだけでいいんだよ
どうか許して
壊れるようなやさしさはいらない
証を、証明を
君の背中に消えないような爪痕を
かなしみがこぼれないように
そっと口付けて
こんなにも美しいままで
琥珀にとじこめて
ぼくだけのものさ
失くしたものはなんだったかな
つまらない冗談だ
なによりも鮮明な
終焉がほしいのです
君を殺すのは僕で
僕を殺すのは君で
だから
どうか
( そして僕らは最果てへ )
061111
作品名:そして僕らは最果てへ 作家名:natu