刻の流狼第四部 カリスアル編【完】
幕巌
擣巓崩壊後、奔霞代表の座を降りる。その後も言の葉陰亭は続け、傭兵の口利きに専念する。晩年は別れていた妻と復縁し、誰とも知れぬ墓に通う姿が見られた。
砂綬・毛羽
河南の森に杜牧が戻り、その後結婚。子沢山の幸せな家庭を築くも、恐妻家の間延びした悲鳴は、村の名物である。
端雅梛・苑爲
鈴薺亡き後、聖聚理教の為に最後まで尽力を尽くす。生死不明。
ディゾウヌ
ヤスンの南北の亀裂を埋めようと奮闘を続けるも、志半ばで病魔に倒れる。享年97歳。しかし彼女の貫き通した信念は、広く街の者達に伝わり、彼女の死から十年目、漸く街は一つになった。
ニーニアニー・ミルーファ
ニーニアニーが十五歳になると共に、二人は周囲の反対を押し切って結婚。王と長の子供が産まれるも、森の内部の諍いは暫く続いた。それでも森は少しずつ、彼の記憶する姿へと戻ろうとしている。
テレン・イニスフィス
森の見張りの塔に勤務する傍ら、最後まで外の者達との交流を深めようと訴える毎日が続いたらしい。その腰には、何時も磨き抜かれた綺麗な短刀が備えられていた。
ゲルク・ジャンタ
より強い者を求め、世界中を漫遊し続ける。
シャリノ・ミシャール・ベリザ
盗賊から足を洗い、その後孤児院を設立。多くの親の無い子供達を前に、三人は夜毎日毎の喧嘩を繰り返しているようだ。
バナジェスタ・ガルク・ソウナ
ガルクは成人後、とある料理店で修行を始めたが、ある日忽然と家族共々姿を消した。その後の彼等を知る者は居ない。
須臾
臥譲に帰った後、妻と共に雑貨屋を営む。一男一女をもうけ、幸せな家庭作りに専念する。一緒に暮らしている祖母との喧嘩は絶えないようだ。
ハーパー
突如現れた、広大な土地を巡っての争いに参加した兵士達を、焼き払った赤竜が存在したらしいが、人の欲に滅ぼされる。それが誰だったのか、誰も知ろうとしなかった。
恒河沙
長い年月の中、至る所で奇妙な瞳を持つ者が、大きな剣を振り回していると噂が在った。何時もその者の隣には、寄り添う黒い影が存在した。そんな噂だ。
作品名:刻の流狼第四部 カリスアル編【完】 作家名:へぐい