刻の流狼第二部 覇睦大陸編
子供を作ると言う事が、遺伝子の受け継ぎとするなら、其処に託された物は一体何を現すのだろうか。
進化をしない、神の手によって創られた人に、それは何を意味するのだろうか。
夢、希望、愛、憎しみ。
そういった数々の、人の持つ感情でさえも、繰り返された遺伝子上の、ほんの小さな因子の欠片が現す物なら、人の思いは儚い幻の様だ。
それでも人は人を作り続ける。
何かを手探りで見付けようとする。
見つかるかも知れない何かに夢を膨らませ。
成し得るかも知れない希望を胸に。
出会うかも知れない誰かを愛する為に。
最後に訪れる別れを憎みながら。
人は人と出会い続ける。
次なる人を作り出す為に。
常世なる、思いと言う名の因子を伝達する為に。
【スティアスの戯曲より】
作品名:刻の流狼第二部 覇睦大陸編 作家名:へぐい