となりどうし
とうとう歩けなくなったあなたと、さくらが見たくて。
わたしはこっそり、さくらの枝を夜に取って来た。
走って走って、とってきた。
つぼみはすぐに満開になり、あなたはそれを匂い嗅いでいた。
さくらが満開になった途端、あなたは亡くなった。
エイプリルフールの日で、まるで嘘のように。
わたしは、ずっと封印してた言葉をだした。
「わたしは、ずっと大好きだよ」
大好きな絵本も、こんな感じだった。あの子は、こんな気持ちだったのかな。
あなたは、わたしの前でいなくなった。
体はあるのに、魂がなくなった。
ずっと一緒にいたね。
小さい頃から、ずっと一緒にいたね。
あなたの、となりにいる温度が、大好きでした。
あなたがとなりにいて、本当に、本当に幸せでした。
遅くなってごめんね、もう大丈夫だから。
たまに泣いてしまうけれど、もう大丈夫だから。
となりにいてくれて、ありがとう。
大好きなレディへ。あなたが大好きな、家族の1人より。