詩まとめ
祝福の鐘
ブリキの心臓が割れてしまいそうな程
焦燥感に駆られた
手を伸ばす、その白い腕は
空を仰いで、誰かを抱いて
空を裂いた、自分の右手は
何処か遠くへ行ってしまいそうで
誰か祝福してください
二人の行く末を望むままに
私が望む未来は無くとも
ほんの少しの未来を残してください
考える余地を与えてください
凍りついた左手を何かに差し伸ばした
簡単にだらりと落ちて
涙を流す、その青い瞳は
赤く染まり、意思を失い
金色に輝き、銀の雫を亡くす
何も得られないと嘆く前に拒絶して
誰か鐘を鳴らしてください
終わってしまう前に縋るように
私の望む未来は絶望だらけでも
ほんの少し好きでいさせてください
好きでいられる余地を与えてください
作成日:2010-06-19