君が袖振る
高校二年生の龍太と綾子の淡い恋。その龍太からの恋文には、綾子のことを「一生の人」とまで書いてあった。
しかし、二人にはそれ以上のことは何も起こらなかった。
そして、その初恋から七年が過ぎ、綾子は「私、結婚します」と、その恋文の返事を書いた。
二人の恋は実らなかったとも言える。
しかし、それから三年後、二人は同窓会で再会した。そして綾子の親友の葉子は泣いていた。
未だ綾子も葉子も、そして龍太も若い。これからが人生の本番だ。
そして、決して成就しない二人の恋は、それでもまだまだ揺れながら続いて行くのだろうか?
ひょっとすれば、何かが起こりそうな気もする。
いやそれとも、龍太により、この恋に何らかの決着が付けられるのだろうか?
それは誰にもわからない。
しかし、これだけは言える。
すべては龍太次第なのだ。
つづく
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龍介は、投稿小説・「君が袖振る」を一気にここまでを読み終えた。
話しは「すべては龍太次第」と決め付けられてはいたが、ストーリーとしては、こんな中途半端な所で途切れてしまっていた。
だが龍介はここまでで確信した。小説内の龍太は、まさに己、龍介そのままだ。
そして、綾乃がペンネームを紫野として、この小説を書いたのだと。
綾乃のことがどんどんと思い出され、一度逢いたくなってきた。
しかし、今ここでは作者・紫野に聞いてみたい。
龍介は、早速自分のハンドルネームのドラゴンを使って、その小説へのコメントを書き込んでみた。